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新型コロナウィルスがもたらしたプロセス革命 ー押印文化の電子化プロセスー


緊急事態宣言が解除され、ほんのすこしだけ日常が戻ってきます。
 新型コロナが世界経済におよぼした影響は最大約940兆円の損失になると見られ、日本国内でも解雇や雇い止めは約10,000件に上ると見られています。

 完全に景気後退に入ってしまった一方、新しいビジネスサービスやライフスタイルに注目が集まり、バックオフィスの分野ではテレワークが急速に拡がりました。

 テレワークと時短勤務は国策レベルのスローガンが掲げられたこともあり、ある企業が実施したアンケートでは、対象の約55%の企業がテレワークか時短などの策を講じたようです。多数の企業でワークプロセスに革命が起こったコトでしょう。

 以前から、厚生労働省が働き方改革の急先鋒として「テレワーク」打ち出していましたが、多くの経営者や管理職から「コミュニケーションがとれない」「評価指標がなくなる」「成果が見えなくなる」「情報漏洩に繋がる」といった理由、ひどい場合には「社員がさぼる」等の言いがかり的な解釈で、遅々として進みませんでした。

 しかし、今回ばかりはいわゆる「有事」ですから、普段は意思決定が遅い風土の企業でも、迅速に意思決定したケースは少なくなかったようです。これは成果云々ではなく、「やるしかない」「やることが社会的責任」と脅迫観念に苛まれて導入したというのが正直なところではないでしょうか。


 さて、ある企業でテレワークを経験したビジネスパーソンに向けて、テレワークで障壁となった要素のアンケートを実施したところ、「コミュニケーション」と「押印」と答えた割合が約70%にもなったそうです。

 完全に主観かもしれませんが、「コミニュケーション」については導入するソリューションによって十分改善されると考えます。WEB会議システムやSNS、チャットといったツールは真新しいものではなく、30代以下のビジネスパーソンではかなりの頻度で利用されている実感があります。実際「WEB呑み」といったコミュニケーションが短期間で生み出されました(根付くかは疑問ですが)。

 一方、「押印」はビジネスシーン以外でも「署名・捺印=全体的証拠」として日本文化では根強いものがあり、この文化を変えるのはハイレベルな課題です。
 でも過去の経験ですが、企業業績の悪化やコスト削減がバックオフィス部門のテーマになるたびに「ペーパーレス化」がメニューの一つに連なりますから、多くのビジネスパーソンに「必要」な認識はあるのです。

 ただ残念なことに「神話レベル」といえるほど現実化せず、プランが浮上と沈没を繰り返すうちになんとなく飽きてしまい、プロジェクトがフェードアウトされるケースばかりでした。

 

 「押印」は外部企業との契約や保険会社への請求、行政に提出する書類ではまだまだ完全撤廃はできないわけですが、少なくとも社内の承認については「押印」である必要はないと断言します。

 承認という行為の根拠が明らかになれば良いわけであり、押印という行為は本人以外でもできるわけです。そして昔ほど印鑑を複製することは難しいことではありません。画像データさえあれば、いくらでも印鑑は偽造できます。

 印影の照合まで行っている企業がどれほどあるのか分かりませんが、少なくとも「人の目」に左右されてしまうレベルのプロセスであるならば、所詮は不完全なものなのです。この不完全な文化に時間とコストを使うことに、どのような意味があるのでしょうか。

 

 ではどうすればよいか? 

 承認行為を電子化すれば良いのです。もちろん電子化といってもメールでファイルを飛ばすとか、クラウド上の共有フォルダを使うとかいうことではありませんよ。クラウド型のワークフローを導入するのです。

 一昔前は初期設定費用+月額費用を払い、ITリテラシーの高いスタッフに任せなければ使えないようなソフトが多かったわけですが、最近は始めるのも辞めるのも簡単にできるものが増えました。機能も様々で、経費精算や勤怠管理、得意先リストやアタックリス等他のデータベースと連動できるものも登場しています。

 

 大きな課題は小さな課題の集合体でしかありません。最初から多くの要素を解決しようとするとハードルが上がりすぎて先に進みませんが、小さなところから始めて成果を積み上げていくやり方もあるでしょう。

 小さな改革が大きな身を結びます。弊社では解決課題をヒアリングした上で最適なソリューションをあお探しいたします。また、ご要望があれば設定もサポートしておりますので、テレワークの課題に「押印文化」がチラついたなら、ぜひ一度ご相談ください。